高校生の娘がおります。小さな頃からどんなに疲れていても、スキンシップと絵本の読み聞かせを欠かしませんでした。少し大きくなってくると娘の方が先に眠ることがありましたが、時々甘えた声で「かぁちゃん、マッサージして~」と言ってきました。そんな時は絶対断らないと決めていました。どんなに短い時間でも親子のコミュニケーションが出来る時間はあたたかく感じたものです。話も弾みます。眠くなると返事がなくなるので「はい、終わり。おやすみ」といいます。大した親でもなかったのですが、素直に真っ直ぐ育ってくれたのはスキンシップのお陰だったと思うのです。
　福祉を志したきっかけは児童虐待だったのです。毎日のように新聞やテレビで報道があり、同じ年代の子どもを持つ親として本当に心が痛みました。暴力をふるう手は、いつでも人の心を癒す手にもなるのです。手を介して触れ合うお互いが優しく癒されるのです。以心伝心という言葉がありますが、手のひらから必ず何かが伝わっているのです。